皆様から寄せられる⼝腔ケアや⾷事介助に関する質問をまとめました。
今後のケアのご参考になれば幸いです。
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⼝腔ケアに関するQ&A
歯石や歯垢を取り除いてお口の中をきれいにすることで、う歯(虫歯)や歯周病が予防できます。
同時に、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
また、お口を刺激することにより神経を賦活化 唾液の分泌を促します。
広義のリハビリテーションとも言えます。
誤嚥性肺炎は、就寝中に、細菌を含んだ唾液を誤嚥することにより起こると言われています。
とくに咳反射の低下した方は、唾液誤嚥しやすく、誤嚥性肺炎を起こしやすいです。
口腔ケアを徹底することで、細菌の量が減少し肺炎のリスクが低下します。
お口から食べていない方は、お口を使うことが少ないので、唾液の減少がみられ、お口の中は乾燥します。その結果、自浄作用がなくなるので口の中は細菌だらけになっています。この細菌だらけの唾液を誤嚥すれば誤嚥性肺炎になってしまうリスクが高くなります。したがって、お口から食事を摂っていない方は、より丁寧な口腔ケアが必要です。
⼝腔ケアを⾏う時期は、その⽅の状態によって異なります。
健常⼈であれば、毎⾷後に⾏うのが原則ですが、要介護状態の⽅には、誤嚥性肺炎を予防するために⾷前に⾏うこともあります。
また⾷後以外にも、就寝前に⾏う⼝腔ケアは、誤嚥性肺炎予防には⼤変効果的です。
⻭科医師や⻭科衛⽣⼠、ケアマネージャーさんと計画を⽴てて進めると良いでしょう。
就寝前の介護サービスに関しては、夜間帯のヘルパー不足等により位置付けが困難となっています。サービスとしては定期巡回訪問介護看護を位置付けている利用者であれば、事業所へ相談されてみると良いかもしれません。
またセルフケアの方法を歯科医師へ相談したみたり、家族支援も視野に入れてみてはどうでしょう。
通所型サービス・訪問介護支援等を利用されているならば、就寝前にとらわれず口腔ケアを支援内容に組み込んでみてはいかがでしょうか。
施設やデイケアを利用されているならば、一度歯科医師に口腔ケアに関する講演をしていただくのは、どうでしょうか?
北九州市では、市内で活動しているグループに歯科医師がお口の元気度アップのための出前講演を行っています。
詳しくは、各区歯科医師会にお尋ねください。
- その方の口腔内の状況によって、ケアの方法は違うと思います。歯科医師や歯科衛生士に相談してみてください。
- 完璧にはできる方はいませんので、数分でも毎日関わってあげることが大切と思います。
- 乾燥があればこまめに保湿を行う等、頻回に介入してこまめに清掃を継続してはどうでしょうか。
- ご指摘のように自立の方ほど汚れが残っていることは、よくあります。自身で行っているときにも目配り気配りは大切です。
- 使用している道具にも助言が必要なケースがあります。
- 定期的に施設で歯科検診や歯科相談の提携など検討していただくのも選択肢としてはあると思います。職員や担当ケアマネも巻き込むと良いと思います。
- やってくださいと言われるとやらないので、一緒にやりますという姿勢で関わってみてはどうでしょうか?
- 医療・介護の現場だけではなく予防を含め、世代を超えて生活の中に口腔ケアの関心度/実際に行動している人を増やしていくことも大切です。組織内ルールに従って、声を上げていく必要があるのではないでしょうか。
- 管理職の方を味方につけることが大事です。立場を考慮して傷つかないよう配慮してくれる上司への相談をされるのがいいと思います。
- これは誰の仕事で私の仕事ではないと日々の業務を割り切ることも大切でしょうが、このような問題においては問題点に気が付いた人が誰でもいつでも積極的に関われるような雰囲気作りも大切ではないかと思います。
- 経口摂取されていない方は、口腔ケアは必須です。
- 経口摂取されている方であれば、誤嚥のリスクがある方かどうかで、口腔ケアの必要性が変わってきます。
- 誤嚥のリスクがあるかどうかは、改訂水飲みテストと嚥下誘発試験という二つの検査を行って判断します。歯科医師に相談されてください。
⾷事に関するQ&A
基本的には脳卒中後の回復は3~6か月です。それ以降であれば、対症療法(助言)が重要と思います(食事形態や姿勢などの食べ方)。
また専門職の評価や助言も確認しておくことが大切だと思います。介助方法が適していないとか口腔内清掃の不良も誘因として隠れているかもしれません。
歯科医師や言語聴覚士にご相談されてみてください。
よく使うテクニックは、介助するのではなく、できるだけスプーンを持ってもらって手を介助し、自分で食べているような感覚にします。
温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、温度や味をはっきりとするとよいこともあります。好きなものを持参してもらうことも。ため込むときはじっと待たず、次の食物を見せると飲み込むこともあります。
薬剤によるものもあるので原因を知ることも必要かと
歯がないと食べ物をうまく噛むことが出来ないので、摂取できる栄養素が限られてきます。また柔らかく調理したり、小さく刻むことにより栄養素が失われてしまいます。ですので、歯の無い方には、入れ歯は必要です。
またミキサー食では、義歯は不要と思うかもしれません。
しかし、嚥下には、顎を安定している必要があるので。歯のない不安定な状態では、嚥下はうまくいきません。
- ポジショニングに関しては、どの場面でも当てはまると思うのですが張り紙や、写真での掲示は一定期間が過ぎると「風景」になるので効果が薄れると思います。定期的にたくさんの職員が研修を受けることができる環境ができると良いですね。
- その方の能力にもよりますが、食事の事故は死に直結するので、忙しい職員の業務の中でも食事介助は優先順位を高く意識を持っていただきたいです。本人の意識でだけで「できる」「できない」の判断も職員で共有しておくことも大切です。
- 食思不振の原因はいくつかあり、原因により対応法は異なると思いますが、栄養や食事については、1日3回という食事パターンにこだわらず、食べたいとき(食べられそうなとき)に食べたいものを食べるのがよいと思います。
- 盛り付ける量を少量にしたり、食具を使わなくても食べられるようなおにぎりやサンドイッチにするなどの工夫も効果があります。
- また食事量が減少すると、脱水になりやすいのでみそ汁やスープなどの汁物を取り入れたりするのも良いでしょう。
- 消化の良いもの、冷たいものや柔らかいものなど喉ごしの良いものが食べやすいので、めん類、茶碗蒸し、ゼリーなどを用いても良いでしょう。また少量でも栄養がとれる様な工夫をしたり、栄養補助食品等を用いることも、食思不振から起こる低栄養を防ぐためには大切です。また、食欲を増進させるために香辛料や酸味のある柑橘類等を調味料として用いても良いかもしれません。
- 動揺歯の存在、不適合義歯の使用、口内炎、口腔乾燥など口腔内の状態が悪いと、食べられる食品の種類や食事量が減少するので、口腔内の状況を確認し、歯科専門職による適切な治療や口腔ケアを受けてもらうことが大切です。
- 睡眠薬等で向精神薬が原因で、食事が摂れない方もいらっしゃいます。休薬や薬の変更等の検討が必要な場合があります。
好きだったものを持参してもらいます。または、家族に食べさせてもらいます。これで難しければ難しいと思います。
- 嚥下に問題がなくても咀嚼に問題がありミキサー食となっていると思われます。ミキサー食でも少しの粒子感や繊維質のものがあっても食べることができるのか、均質でないと食べることができないのかにより異なるかと思いますが、ごまは、摂食嚥下障害を有する方には食べにくい(誤嚥しやすい)代表的な食品です。そのまま使用するのではなくて、ごまをすりつぶしてふるいにかけたり、ミキサーにかけてより細かな粒子にしたり、練りごまにしてなめらかにしてから使用するのはいかがでしょうか?
- 足は必ずしも、ギャッジし続ける必要はありません。足底接地が出来ていれば、途中でギャッジ下げても良いです。また、姿勢の維持が難しい場合、膝の下に物を入れて安定させても良いと思います。
- 温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、温度や味をはっきりとすると良いことがあります。
- ご家族に、好きなものを持参してもらうことも効果があります。
- ため込むときはじっと待たず、次の食物を見せると飲み込むこともあります。
- わんこそばのように少量づつ提供すると良いです。
- ポジショニングは、適切でしょうか?疲れていませんか?
- 有限な介護力と経済力をどのケアにつぎ込むか、何かを優先すれば何かが疎かになるの避けられないので、ケアマネージャーの協力は欠かせないです。
- また、管理栄養士や言語聴覚士の助言も必要です。
- 歯科医師や歯科衛生士も必要でしょう。
- しかしながら、一番は、やはり主治医とご家族ではないでしょうか?
今後、北九州市歯科医師会でもそういった取り組みの紹介を進めていきたいと思います。